京都パイルの不思議 敷地内にある祠の意味
昭和四二年、染め物工場として使われていた吉祥院工場を購入した時、ほこりをかぶった祠がありました。
その当時、吉祥院工場の周りは畑ばかりで、夜になるとほとんど人通りがなくなりました。そのため、大学を卒業したばかりの社長(当時はまだ社長ではありませんでした)が用心のために工場に住み込むことになりました。住んでみると、ほこりをかぶった祠が不気味で怖くて、「これはキレイにして、ちゃんと祀らなあかん!」と思ったそうです。
しかし、祀るといっても何を祀ったらいいものか…と悩み、親交のあったある先生にどの神様が自分に合っているのか相談したところ、「岡山にある最上稲荷が合っている」と教えられたので、最上稲荷まで行ってお札を買ってきて祀ったそうです(最上稲荷は日本三大稲荷のひとつです)。
そうやって祠をキレイにして祀り始めるようになると、それまで時々あったボヤ火事や従業員の仕事中の怪我がなくなったそうです!
今では吉祥院工場はなくなりましたが、久御山工場に祠をたてて、毎月、月参りの日を決めて、旬の果物等をお供えして、お参りすることは続いています。
毎月お参りするのは、「工場や従業員の厄災を避けたい、みんなが安全に仕事できるように」との想いからです。
月に一度、頭を下げて手を合わせると、謙虚な気持ちになり、心が和みます。
今月もみんなに怪我がなく、安全に良い仕事ができますように!