パイルのこと①
京都パイルではパイルの製造からフロッキー加工(静電植毛)まで行っております。今回はそのうち、パイル製造に焦点をあててご紹介したいと思います。
完成状態のパイルは微細な粉末のようですが、当社に原材料で入ってくるときは、長~い「カンピョウ」のような状態なのです。レーヨン繊維の場合、約1800メートルのカンピョウが入ってくるのです。このカンピョウのことを「TOW(トウ)」と呼んでいます。日本語でも英語でも「トウ」、「TOW」なんです。
はて、「トウ」ってなんだ?調べてみると、多数の単繊維で構成された繊維束をフィラメントと呼び、さらに千本から数万本のフィラメントの束を「トウ」と呼ぶんだそうな。へ~、ふ~ん。
まず最初は、トウを長さ0.3~1.2ミリに細断することから始まります。1800メートルのトウをすべて細断するのにかかる時間は、なんと2日間!え~と、1800メートルは百八十万ミリだから、これを0.5ミリで割ると、細断回数は三百六十万回!!こんなに何回も細断して、切れ味が落ちないの?と思われたかもしれませんね。じつは1時間半に1回、刃の交換をしているんです。交換した刃はよぉく砥いで、次の出番を待ちます。砥ぐたびに刃は短くなっていくので、約1ヵ月で寿命を迎えます。過酷ですねぇ。切りたてホヤホヤのパイルは台湾冷菓の雪花氷(シェーホアビンと読む)にそっくり!パイルにマンゴーを添えて黄色いソースをかけて置いておいたら、ぜったい間違って食べてしまうな(笑)。