パイルのこと②
今回も引き続きパイル製造の第二弾、色作りから染色までをご紹介します。
パイルを染色する前に、まずはお客さまからオーダーのあった色を作らねばなりません。一口に青と言っても深い青から薄い青までいろんなバリエーションがあるように、色は千差万別です。白や黒といった基本色以外の色は「赤」「青」「黄」の三原色の組み合わせで色だしをしていきます。この三色でたいがいの色が作れてしまうんです。不思議ですね~。当社ではこれまで何十年とパイルを染めてきたので、データは非常にたくさんあります。
試験室でこれらの経験を活かして色だしするのですが、染め上った時の多少の変色やお客さまのニュアンスにピタッと合わすのは、なかなか難しいので、一色につきサンプルを4つご提示します。それでOKが出ればいいのですが、時には何回も色合せの確認をすることがあります。少ない回数でOKをいただくのが腕のみせどころ!
こうやって決定した色データをもとに染料を混ぜ合わせていよいよ染色です。この時、ソーダ灰を一緒に入れてアルカリ性にします。こうやって染めるとパイルにしっかり色が吸着するんです。1時間20分かけて染色し、次は水洗いをします。当社では専用の水洗機を保有しているので、染色釜からポンプでパイルを水ごと吸い上げ、水洗機に注入します。この水洗いでアルカリ性から中性に戻します。ペーハー(pH)試験紙を使って中性になったことを確認するんですが、しっかり見極めないとパイルの仕上がりに影響するので、ここは神経を使います。なんだか理科の実験を思い出しますね!