遥かなる中東へ!③
アラブ人との商売は、日本人同士だったら考えられない様な事がしょっちゅう起こります。
今ではすっかり慣れて、『あ~、いつもの事だから大丈夫、大丈夫』と余裕で構えてられますが、慣れる前は『ホントに大丈夫なのか!?』いちいち取り乱しておりました。
まだアラブ人との商売に慣れていない平成4年、ゴブラン織りから着想を得た新商品、その名も『ゴブラン』を携えて意気揚々とアラブ人との商談に挑みました。『いい商品が出来た!ゴブランは絶対に売れる!』かなりの自信作だったのですが、価格帯が高すぎて当初は全然売れませんでした。
しかし粘り強く商品の良さを伝えるうちに最初の商談がまとまりました!アラブ商人はノリノリで『よし、これを買うよ!』と言ったのですっかり安心して日本に帰国しました。ちなみにアラブ人との商売では契約書は交わしません。契約書を交わす習慣がないので口約束です。
ところが約束の期日になっても指図が来ないんです。指図が来ないとこちらは加工に取り掛かれません。『あの ”買うよ” は何やったんや?嘘やったんか!?』身悶えしながら毎日を過ごしていると、やっとこさ指図が来ました。
納期に間に合わせるために慌てて加工をこなしたら、今度はL/C(信用状)が来ない!『早くL/Cを送って!』と連絡すると『インシャーラー』(神の御心のままにの意)『なんじゃ、それはぁぁぁ~!』こんな風に胃がキリキリ痛くなりそうな日を送っていたのですが、実はアラブ人は非常に信仰心が厚く、アッラーに誓って騙したりする事はないので商売上の約束(契約)はきちんと守ってくれる人たちなんですね~。
時間にはちょっとルーズだけど(笑)